幻奏譜
コミックマーケット67(2004/12/30)にて発表しました。
頒布終了に伴い、楽譜部分を現在フリー公開中。
というかホラーゲームじゃないんだから(略
曲目
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「で、どうやって弾くんだ?こんなの。」 「あら簡単よ、こんなの。」
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紹介
・東方楽譜本「幻奏譜」
東方シリーズの音楽のピアノ用楽譜をサイト公開曲含め12曲収録。
A4サイズ52ページ(表紙含む)の大ボリューム。
イベント価格1000円、委託価格1000円(税込)。
東方シリーズの音楽を弾いてみたい、けど耳コピなんてできない、
そんな方向けです。
バックストーリー
学校で奇妙な噂が囁かれ始めたのは、冬の精霊が寝坊をしたかのように暖かい12月の初めのことだった。
「ねえ、聞いた?あのウワサ。」
「聞いた聞いた。音楽室のピアノでしょ?夜になるとひとりでに鳴るっていう…」
奇妙だ。今時の学校でこんな陳腐な噂は流行らない。こんな噂が流行ることは実に奇妙なことであった。
噂の発端は分からなかったが、噂の伝播速度は2のt乗。
この噂があの二人の耳に入るのは時間の問題だった。
「秘封倶楽部、参上」
「おいしいところ、持ってかないでー」
前者が蓮子、後者がメリーである。
二人ともこの学校の出身で、後輩からその噂を聞きつけてやってきたのだ。
「1時30分。頃合ね。」
「本当に忍び込むの?何だか、悪い予感がするわ。」
「いこう、早くしないと人が来る。」
「それにしても最近は物騒ね…学校の防犯がこんなに進んでるなんて、びっくりだわ」
「驚きながら針金一本で錠前を外すのはどうかと思うけれど…」
そう言うメリーは昼間のうちに堂々と学校に入り、警報装置を解除してきたばかりであった。本人は嫌そうだったが、蓮子いわく「あんたのほうが若く見える」である。蓮子の褒め殺しは凶悪だ。もっともメリーもそれが皮肉であることには気付いていた。
「いるわいるわ、この悪寒。」
「たしかに寒いわね。もう一枚羽織って来れば良かったかしら?」
わざわざ悪寒を感じるまでも無く、音楽室の中からはピアノの鳴る音が聞こえていた。
狂ったように激しい音楽を弾いているのは誰か。
こんなにも激しいのに懐かしさを感じるのは何故か。
「いくわよ、メリー」
「いきましょう、蓮子」
二人がハリウッド映画宜しく音楽室のドアを開けると、そこには…
――――
翌朝、音楽室のピアノの上に1枚の楽譜が残されていた。
幻奏の記譜――――
ひとりでに鳴るピアノの噂は、ある日を境にぴったりと止まってしまった。

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